5. 測定結果から算出したデータ
治療前後 血圧の左右差 平均値 【表3】
| |
男 性 |
女 性 |
| |
前 (mmHg) |
後 (mmHg) |
前 (mmHg) |
後 (mmHg) |
| 収縮期血圧差平均値 |
9.43 |
8.30 |
9.35 |
7.13 |
| 拡張期血圧差平均値 |
7.08 |
5.62 |
5.64 |
5.20 |
|
\/ |
\/ |
| 収縮期血圧差 治療前後の差 |
1.13mmHg |
2.22mmHg |
| 拡張期血圧差 治療前後の差 |
1.46mmHg |
0.44mmHg |
治療前後 血圧左右差の変化 【表4】
| |
男性・人(%) |
女性・人(%) |
| 血圧左右差縮小10mmHg未満(a) |
5(13.5) |
15(21.7) |
| 〃 10〜19mmHg(b) |
8(21.6) |
12(30.4) |
| 〃 20mmHg以上(c) |
0 |
3(4.3) |
| 治療前後ともに正常範囲 (d) |
7(18.9) |
14(20.3) |
一方は少し広がり(3mmHg以下) もう一方は6mmHg以上縮小 (e) |
2(5.4) |
2(2.9) |
※血圧左右差が改善
| (a)+(b)+(c)+(e)⇒ | 男性 15人 40.5%―【1】 |
| 女性 32人 46.4% ┘ |
| 【1】+(d) ⇒ | 男性 22人/ 37人中 59.5% |
| 女性 46人/ 69人中 66.7% |
男女別 治療前後の血圧変動(収縮期血圧) 【表5-a】
| |
男性(%) |
女性(%) |
| 左右共に下がっている |
18(48.6) |
21(30.4) |
| 一方が下がり、一方が同じ |
3(8.1) |
13(18.4) |
一方が下がり一方が上がる、 と、左右とも変動なし |
9(24.3) |
20(29.0) |
| 一方が上がり、一方は同じ |
4(10.8) |
8(11.6) |
| 左右共に上がっている |
3 (8.1) |
7(18.9) |
※測定誤差を考慮して±1は変動なし、とした。
男女別 治療前後の血圧変動(拡張期血圧) 【表5-b】
| |
男性(%) |
女性(%) |
| 左右共に下がっている |
3 (8.1) |
13(18.4) |
| 一方が下がり、一方が同じ |
5(13.5) |
20(29.0) |
一方が下がり一方が上がる、 と、左右とも変動なし |
10(27.0) |
21(30.4) |
| 一方が上がり、一方は同じ |
7(19.0) |
10(14.5) |
| 左右共に上がっている |
12(32.4) |
5 (7.2) |
※測定誤差を考慮して±1は変動なし、とした。
6.中間考察
左右差の平均値で、収縮期1.13〜2.23mmHg、拡張期1.46〜0.44mmHg縮まった。【表3】
また、治療前後の左右差が改善された割合が、男性40.5%、女性46.4%であり、最初から異常なしで治療後もやはり異常ない事例とあわせると、男性59.5%、女性66.7%となった。【表4】
また、血圧の上がり下がりについては、収縮期血圧についての改善が男女共に顕著に表れた。ただし、【表5-a】【表5-b】に示されるとおり、拡張期の血圧、特に男性については、治療後、上がってしまっている割合が非常に高い。
それらを解明するために、数人の、左右差が逆に大きくなった患者や、数値の上がり方が大きい患者を調べてみると、その多くは、心臓に重大な既往症があるか、降圧剤、または精神安定剤、ホルモン剤を服用中であった。また特に、重大な既往症も服用中の薬物もないが、精神的に大きなストレスを抱えている場合も、思うように血圧コントロール出来にくいようだった。また、女性で治療後、左右差が大きくなったり、数値が上がっている患者の中には、低血圧ぎみの患者も若干含まれている。(治療前の計測で左右どちらかの収縮期血圧が100mmHg未満…10人)
次の段階として、結果に関するさらに細かいデータを集めてみた。
7. 問題解明のためのさらに細かいデータ
治療後の血圧左右差が10mmHg以上だった患者について
治療前の収縮期、拡張期どちらか、また両方の左右差
| |
10〜14mmHg |
15mmHg以上 |
| 男性(37人) |
7人 (ア) |
13人 (イ) |
| 女性(69人) |
22人 (ウ) |
15人 (エ) |
前記症例の治療後の収縮期、拡張期どちらか、また両方の左右差
| |
10〜14mmHg |
15mmHg以上 |
| (ア)の症例 |
1人(a) |
2人(b) |
| (イ)の症例 |
1人(c) |
4人(d) |
| (ウ)の症例 |
3人(e) |
5人(f) |
| (エ)の症例 |
3人(g) |
2人(h) |
治療前は、左右差10mmHg未満だったが、治療後の差10〜14mmHgになった 男性 5人(i) 女性9人(k)
15mmHg以上になった 男性1人(j) 女性3人(l)
上記症例の年齢、既往症(既)、現在の症状(症)、薬物の服用(薬)、その他の特記事項(特)
※ 血圧コントロールに関係しているのではないかと思われる事項に下線をひいた。
(a) ・21歳 (症)腰痛 (特)職場の問題で精神的なストレスあり(数ヵ月後、退職)
(b) ・61歳 (特)妻の介護疲れ、精神的ストレス
・72歳 (既)高血圧症 (薬)降圧剤
(c)・57歳 (既)3年前に胃癌 (症)腰痛
(d)・40歳 (症)腰痛 (薬)精神安定剤
・43歳 (既)スポーツ後遺症からか頚椎の不具合(症)肩こり、肩の痛み、膝痛
・70歳 (既)腰椎狭窄症 (特)最近生活環境の変化あり(会社を退職)
・71歳 (既)2ヵ月前に食道・胃癌手術
(薬)抗がん剤
(e)・48歳 (既)高血圧症
(薬)降圧剤、ホルモン剤
・63歳 (既)不整脈 (症)腰痛
・58歳 (症)腰痛 (特)夫が癌で入退院を繰り
返しており精神的ストレスあり
(夫は3ヵ月後に死亡)
(f)・39歳 (特)低血圧
・ 43歳 (既)卵巣のう腫、子宮頸癌 (症)肩
こり、下腹部痛 (特)定期的な癌検診
に対する不安感、精神的ストレス、
低血圧ぎみ
・48歳 (症)坐骨神経痛
・55歳 (症)腰痛、肩こり
・58歳 (既)高血圧症 (薬)降圧剤
(g)・32歳 (症)肩こり、疲れ
・45歳 (既)子宮筋腫 (症)腰痛
・82歳 (既)狭心症 (特)小柄細腕のため、
数値不正確の可能性あり (薬)心臓の薬
(h)・41歳 (既)卵巣腫瘍 (症)肩こり
・77歳 (既)狭心症、高血圧症、C型肝炎
(薬)降圧剤
(i)・30歳 (症)腰痛
・39歳 (既)斜頚の手術(26年前)
・ 63歳 (既)頚椎硬化症
・ 64歳 (特)低血圧ぎみ
・ 67歳 (症)腰痛
(j)・58歳 (既)心臓僧帽弁手術、高血圧症
(薬)降圧剤
(k)・30歳 (特)低血圧ぎみ
・45歳 (既)ひどいアトピー性皮膚炎
(薬)ステロイド(数年前にやめた)
・ 48歳 (症)肩こり
・ 54歳 (特)低血圧ぎみ
・ 59歳 (症)腱鞘炎 肩こり
・ 60歳 (既)子宮筋腫 血糖値高め
・ 62歳 (既)糖尿病 (薬)インシュリン注射
・ 63歳 (特)低血圧ぎみ
・ 63歳 (薬)抗うつ剤
(l)・40歳 (症)腰痛
・47歳 (症)腰痛 肩こり
・76歳 (症)腰痛
(特)実兄の介護と死亡後からの不調
以上39人を下線を引いた部分別に分類
・降圧剤服用中 5人
・抗うつ剤、精神安定剤服用中 2人
・ホルモン剤服用中(過去も含む) 1人
・既往症に癌、卵巣のう腫、子宮筋腫 6人
・心臓または首の手術・疾患 5人
・精神的に大きなストレス 5人
・低血圧 5人
・糖尿 1人
・下線を引くべき事項が見当たらない 9人
そのうち閾値が特に高い人……4人
〃 特に低い人……3人
8. 結論
AKの理論を主に用いたカイロプラクティックの治療によって、血圧の左右の差が縮まると治療の有効性を証明できた。
また、高すぎる血圧を下げる効果にも、一定の有効性を証明できた。
ただし、心臓や頚椎に不具合がある場合や血圧降下剤等の薬剤を服用中の場合には、効果を発揮しない場合や数値を悪化させる場合があった。また、少数ではあるが、身体的には特に血圧に関係する要因は見当たらなくても、精神的な要因や神経的な要因により、有効でない場合もあった。
よって、逆に言うと、血圧に左右の差があり、調整により改善できないときは、内科的、もしくは精神的に何らかの不具合がある可能性が高いと考えられる。